ショック③
若年女性、突然倒れた
- 公園でジョギング中に突然転倒し、目撃者が救急要請。
- 鼻骨骨折があり、歯も折れた。身分証なく年齢は不明。
- 来院時は覚醒していたが、混乱していた。
- HR 280 bpm, BP 60 (動脈触知可)
- モニター波形: wide complex tachycardia
鑑別診断として誤っているもの2つは?
A.洞性頻脈
B.心房細動
C.心室細動
D.多源性心房頻拍
E.心室頻拍
正解: A. 洞性頻脈, C. 心室細動
- 洞調律の上限 (220-年齢)を超えており、洞調律でない
- 覚醒して脈があるため心室細動ではない
- Wide complex tachycardiaの原因は心室性頻脈が多いが、房室結節を通らない場合や、もともと伝導路に障害がある場合は上室性頻脈でもWide complex tachycardiaとなる
続き
- 12誘導心電図: Wide complex tachycardia, irregularly irregular, P波がない
- 心房細動と考えられた
初期対応はどれが最も適切か?
A.アミオダロン
B.リドカイン
C.メトプロロール
D.除細動
E.肺塞栓プロトコルで造影CTを撮像
正解: D. 除細動
解説: 患者は低血圧で脳血流の低下による混乱をきたしており、不安定である。迅速な除細動が必要である。
A. アミオダロン、C. メトプロロールは安定している時に有効。PEが鑑別でCTに行けない時は経験的な抗凝固治療が許容される。リドカインは心室性頻拍に使用する